下痢の原因と治療法を
医師が解説|
消化器・内視鏡のクリニック
下痢で
悩まれていませんか?
下痢とは、便が水のようになり、頻繁に排出される状態を指します。時には腹部が強く締め付けられるような痛みも伴うことがあります。下痢は日常生活でよく起こる症状の一つであり、多くの方が下痢で辛い思いをされた事があると思います。
一時的な感染症で短期間の下痢であれば、大きな問題はありません。しかし、下痢が長く続くと、日常生活に支障をきたすことがありますし、継続して治療が必要な病気の可能性もあります。
以下の症状に該当する方は
特に注意が必要です。 CHECK
- これまで経験したことのない
激しい下痢 - 高熱や強い腹痛を伴う下痢
- 下痢以外に吐気や嘔吐などの症状がある
- 排便後にも腹痛が持続する
- 同じものを摂取した人も同時期に下痢になった
- 症状が悪化しているか、改善しない
- 下痢に血液が混じっている
- 尿量が少なく、のどが渇くなどの脱水症状がある
上記の症状に該当する方は、詳しい検査が必要な場合があります。お問い合わせの上、かえで内科にお越しください。
医師による下痢についての説明
人は口から摂取する水分と、胃腸から分泌される消化液を合わせると約10Lになります。
このうち、7~8Lの水分が小腸で吸収され、残りの大部分が大腸で吸収されます。そのため、便として排泄される水分はわずか100ml程度となります。小腸での吸収量が減少したり、分泌量が増加したり、大腸での水分吸収能力を超えた場合に下痢が発生します。急激に発症し、2週間以内に収まる場合を「急性下痢症」とし、4週間以上続く軟便を「慢性下痢症」と定義しています。
下痢の種類について | 浸透圧性下痢:日常生活が原因のことが多い 飲みすぎや油っこい食べ物の摂り過ぎは、下痢の原因となります。腸内の栄養が過剰になると、腸がうまく吸収できず、便中の水分が増加してしまいます。 ぜんどう運動性下痢:過敏性腸症候群 腸は食べ物を肛門に向かって押し流すために蠕動運動を行っています。ストレスなどの要因で蠕動運動が早くなり、食べ物が急速に腸を通過するため、十分な水分吸収の時間がなくなり、便が固まらずに肛門に到達してしまいます。また、ホルモンの影響も関与することがあります。 滲出性下痢:潰瘍性大腸炎やクローン病 腸に炎症がある場合、腸の粘膜から血液成分や細胞内の液体が漏れ出し、便の水分量が増えます。また、炎症により水分の吸収能力が低下し、下痢が増悪します。 |
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その下痢は過敏性腸症候群(IBS)かもしれません
お腹の痛みや何となく調子が悪く、それと関連して便秘、下痢などの便通異常が長期間続いている。しかし、レントゲンや大腸内視鏡検査、便の検査などを行っても異常が見つからない場合は、過敏性腸症候群(IBS)の可能性があります。IBSは、3ヶ月間で月に3日以上、腹痛や腹部不快感を伴う下痢や便秘が繰り返し起こり、排便によって症状が改善する状態を指します。
原因として、消化管の運動異常と知覚過敏によるものであり、ストレスや環境の変化などがきっかけで症状が起きたりします。例えば、通勤や発表前など緊張すると腹痛や下痢が起こりますが、寝ている間は症状が出ないこともあります。トイレに行けない環境に置かれると、かえって下痢したりお腹が痛くなったりすることもあります。
ただ、症状だけでIBSと確定診断することはできないため、内視鏡検査を行い、粘膜に慢性的な炎症や感染、悪性腫瘍などがないことを確認する必要があります。患者さんの中には、症状が長く続いているために「大腸に深刻な病気があるのではないか?」と心配になり、その心理的なストレスが症状を悪化させることも少なくありません。
内視鏡の結果によって、問題がないことが確認されると、症状が改善するケースもあります。
治療は、他に大きな病気がないことを確認した上で、患者さんの症状に合わせて選択していきます。症状の変化に伴い内服治療も一緒に相談しながら、最適な治療方法を考えていきます。
下痢の原因を診察や検査で考えていく必要があります。急性の下痢の多くは、問診などで原因が特定でき、内服や生活習慣の改善によって改善することもあります。慢性的な下痢の場合は、検査が必要なことが多く、治療方法もさまざまです。整腸剤や下痢止めの薬を飲むだけで改善する場合もありますが、下痢の原因に応じた適切な治療法を選択する必要があります。
下痢の症状にお困りの方や、過敏性腸症候群の疑いがある方は、かえで内科までご相談ください。当院では消化器専門医も在籍しており、診察やご相談にも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせやご来院ください。
よくある質問
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下痢症状はコロナと関係がありますか?
新型コロナウイルス感染症の症状として下痢がある場合もありますが、多くの人にとっては一般的な症状ではありません。
コロナウイルス感染による下痢の有無だけで診断はできませんので、他の症状や接触歴なども考慮して医療機関での診察を受けることをおすすめします。 -
下痢の際に摂るべき食事はありますか?
下痢の時は、消化に良い食品を摂ることが重要です。まずはおかゆやうどんを食べて頂き、症状が改善傾向にあれば、食物繊維の少ない食材(ニンジンやじゃがいも)、低脂肪のお肉(白身魚やささみ肉)などがオススメです。これらの食材を小さく切り、柔らかく調理してよく噛んで摂取することがベストです。一方、食物繊維の多いキノコや海藻、脂肪の多い肉などは消化にエネルギーを要するため、下痢の際には避けて頂いた方がいいと思います。
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市販の下痢止めは効果がありますか?
市販の下痢止め薬には処方薬と同様の成分が含まれているものもありますので、同様の効果が期待できる場合もあります。
ただ、市販の下痢止め薬は一般に用量が少ないことが多いため、処方薬と同等の効果を得ることは難しいかもしれません。
また、個人の症状や体質によっても効果の感じ方が異なることがありますので、適切な使用方法や用量を守りながら使用することが重要です。