胸焼けの原因と逆流性食道炎を
医師が解説|
消化器のクリニック
当院では胸焼けのお悩みに
関するご相談を
受け付けています
胸焼けとは、胃酸が上がってくるような感じ、
胸が焼ける感じ、ヒリヒリ、ジリジリするような感じがあったり、胸の痛みや違和感がある状態を言います。
胸焼けのほとんどが、胃酸の逆流によって食道の粘膜が刺激されることでおこります。
以下の症状でお困りでは
ありませんか?
CHECK
- のどの違和感(ヒリヒリなど)
- 胸のあたりに焼けたような痛みを感じる
- ものを飲んだ時につかえることがある
- 胃酸が上がってくることがある
- お腹が張ることがある
- 食後に胃もたれする
- 酸味が上がって来て夜中に
目覚める - 朝起きた時に喉に酸味を感じる
- 食事の途中で満腹になってしまう
- ゲップがよく出る
上記の症状が多数当てはまる方は逆流性食道炎(胃食道逆流症)の可能性があります。逆流性食道炎は生活の質を下げるさまざまな症状が起こるため、適切な治療が必要な場合があります。
逆流性食道炎(胃食道逆流症)とはどのような病気ですか?
逆流性食道炎(胃食道逆流症)は、胃で分泌される胃酸(胃液)が食道に逆流してしまうことで、酸味のある液体が戻ってきて、胸焼けや不快な症状が出たり、食道の粘膜がただれたり(食道炎)する病気です。逆流性食道炎は以下のようなタイプに分けられます。
- 内視鏡で見ても異常はないが、胸焼けなどの自覚症状のみあるタイプ(非びらん性胃食道逆流症)
- 内視鏡で食道炎(粘膜のただれ)があり、自覚症状もあるタイプ
(びらん性胃食道逆流症) - 内視鏡で食道炎(粘膜のただれ)はあるが、自覚症状はないタイプ
(びらん性胃食道逆流症)
胃食道逆流症の中でも、炎症が強く粘膜がただれてしまっている状態を「逆流性食道炎」といいます。
-
正常な胃と
食道のつなぎ目 -
逆流性食道炎
逆流性食道炎は胸の痛みを引き起こしたり、
慢性的な咳やのどの炎症、のどのポリープ、食欲不振や睡眠障害など日常生活にも支障をきたします。逆流性食道炎の有病率は推定で10人に1〜2人程度であり、食生活の欧米化などが原因となり日本人でも患者数が増加傾向にあります。
逆流性食道炎(胃食道逆流症)の
原因は何ですか?
胃の粘膜は胃酸の強い刺激にも耐えられる仕組みを持っていますが、食道は胃のように強い粘膜ではありません。そのため、胃酸が逆流し食道が長時間酸にさらされると、食道粘膜がただれ、逆流性食道炎(びらん性胃食道逆流症)が起こります。健康な人が食道内に胃酸が逆流している時間はわずか4%以下であり、逆流は問題になりませんが、逆流性食道炎の患者さんでは胃酸の逆流時間が長くなることがわかっています。食道の中にある食べ物や酸を胃に送りだす運動が弱くなっていたり、胃と食道のつなぎ目が緩くなったりすると胃の内容物の逆流が容易に起こり、食道炎の原因となります。
逆流性食道炎(胃食道逆流症)の 対処方法はありますか? |
|
---|---|
食生活で気をつけること | 食べ過ぎや就寝前の食事、高脂肪食、アルコール、チョコレート、コーヒー、炭酸飲料、柑橘類などは胃酸の分泌を増加させたり、胃と食道のつなぎ目を緩めやすくするため、食道への胃酸逆流が起こりやすくなります。 また、喫煙も胸焼けを引き起こしやすくなると言われています。もしこれらの食生活に関連する心当たりがあれば、生活習慣を変えると症状が改善するかもしれません。 |
日常生活で気をつけること |
逆流性食道炎を改善するためには、胃酸が逆流しにくい習慣を取り入れることが重要です。肥満傾向があると、腹腔内で胃が圧迫され、胃酸の逆流が起こりやすくなります。また、重いものを持つ姿勢や前かがみの姿勢も逆流を起こしやすくなります。寝る姿勢も仰向けや右側を下にして横になると胃酸の逆流が起こりやすいため、左側を下にして寝るか、頭側を高くして寝ると症状が緩和されることがあります。効果は個人差がありますが、特に効果が高いとされるのはダイエットと頭側を高くすることです。 食生活や生活習慣の改善だけでは改善しない場合は、薬の内服も併用することで症状の改善が見込める場合もあります。内視鏡検査によって食道と胃のつなぎ目を詳しく観察し、必要に応じて胃酸の分泌を抑える薬や胃酸を中和する薬、胃や食道の動きを改善する薬などを処方しています。 お気軽にご相談ください。 |
よくある質問
-
胸焼けと同時に吐き気が伴います。どのような病気が考えられますか?
吐き気が胸焼けと同時に起こる場合、
一般的には逆流性食道炎や胃腸炎などが考えられます。しかし、他にも様々な疾患が関与している可能性もありますので、具体的な症状や状況に応じて医療機関で医師に相談することをお勧めします。 -
胸焼けがつらい時に家でできる対処法はありますか?
胸焼けがつらい場合には以下の点に注意することが助けになるでしょう。
食べ過ぎや就寝前の大量の食事を避けましょう。また、高脂肪食、アルコール、チョコレート、コーヒー、炭酸飲料、柑橘類などは胃酸分泌を増加させたり、食道と胃のつなぎ目を緩ませる可能性があるため、摂取を控えるべきです。喫煙も胸焼けを引き起こす可能性があると言われています。自身の食生活にこれらの要素が含まれている場合は、注意しましょう。 -
胸焼けに効く薬を教えてください。
胸焼けに効果的な薬としては、胃酸のpHを上げる作用を持つ薬があります。
処方薬ではH2ブロッカーやPPIといった薬が処方されます。市販薬でもH2ブロッカーの製品が一部存在しますが、処方薬と比べて用量が少ない場合が一般的ですので、かえで内科に受診して頂ければ、症状に応じた処方ができると思います。